九州大学が開発!! コンセプトカーItoP!!
平成31年1月8日に、本学椎木講堂のガレリアにて革新的コンセプトカー『ItoP』の展示会を挙行しました。このコンセプトカーは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の伊藤耕三プログラムにて、本学先導物質化学研究所・高原 淳教授のグループ、本学大学院工学研究院・田中 敬二教授のグループが参画して研究開発された新素材、「しなやかなタフポリマー」を活用して創製された、軽くて丈夫な電気自動車です。このコンセプトカーを一般にも広く公開し、理解を深めていただくために、東京の日本科学未来館での展示を皮切りに、北大、山形大、阪大、名大で展示および試乗会が実施されており、この度、本学でも展示されました。
このコンセプトカーの名称は、“I to P(Iron to Polymer、鉄から高分子、アイトップ)”で、本学分子システムデバイス国際リーダー教育センター・川口 大輔准教授の発案で命名されました。
当日は、多数のメディアの皆さまから取材をいただき、各局のニュースで報道されました。また、学内の教職員、学生、一般の方や小学生などたくさんの方にご見学いただきました。
◆コンセプトカーの特徴
軽くて丈夫なポリマーを用いることで、従来の車より約4倍(47%)の樹脂使用率を達成しました。また、樹脂製のサイドウインドの使用、透明ルーフとフロントウインドの一体化、ホイール等への炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の適用、さらに、金属製が一般的であったエネルギー吸収体への環動ポリマー(ポリロタキサン)構造を導入したポリアミドとグラスファイバーの複合材の使用等により38%の軽量化に成功しました。その結果、製造工程も含めた10万km走行時点での温室効果ガスの排出量が従来素材の場合と比べて11 %低減できる可能性が示されました。さらに、革新的なゴム素材を用いた専用タイヤを装着しており、摩耗性の著しい向上により、大幅な省資源化を実現しました。
本成果は、“I to P”(Iron(鉄)からP(Polymer))への変換により、社会が求める持続可能な安全・安心・低環境負荷という普遍的な課題に貢献する「モノづくり」に活用できることを示しています。※ImPACT 伊藤耕三プログラム http://www.jst.go.jp/impact/program/01.html
ImPACTは、政府の科学技術・イノベーション政策の司令塔である総合科学技術・イノベーション会議が、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発を促進し、伊藤耕三プログラムでは従来の限界を超える薄膜化と強靱化を同時に達成する「しなやかなタフポリマー」の実現を目指しています。
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